名作映画をちょっとした解説で紹介。『少林寺木人拳』『成龍拳』『蛇鶴八拳』『カンニング・モンキー 天中拳』『スネーキーモンキー 蛇拳』『拳精』ほか。
①『少林寺木人拳』(少林木人巷:Shaolin Wooden Men)1976年
「羽ばたく烈拳!」
Cast:ジャッキー・チェン、クム・コン
(解説)少林寺の青年が「木人」に挑戦するアクション作。チラシには「最強の映画」。ジャッキーは「しゃべらない男」の役。それには演技力が必要。だから、それを表現したジャッキーはスゴイ、ということらしい。「『バトルクリーク・ブロー』も大ヒット」とありますが、ヒットしませんでしたね。『木人拳』はかなり古い作品。「ジャッキー人気」で日の目を見た作品。内容は充実。日本ではTV放送もされて人気映画になりました。
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②『成龍拳』(剣・花・煙雨江南:To Kill With Intrigue)1977年
「恋と復讐を賭けて、跳ぶ・舞う・挑む。」
Cast:ジャッキー・チェン、シュー・フォン
(解説)青年が敵の女に愛されたり、奪われた恋人を取り戻そうとしたりするカンフー時代劇。「クンフー」「大チャンバラ」「秘伝:成龍八翔拳」「きわめてマジなラブロマンス」。これも古い作品。「ジャッキー人気」により劇場公開。内容はシリアス。ヒロインの美しさ、敵役の女の非情さ、親友の裏切り。戦いのシーンではワイヤーアクションも。「大チャンバラ」というのは剣を使った勝負のこと(「チャンバラ」て)。「成龍八翔拳」なる拳法を使うジャッキー。見たところ特別個性的な型ではなかったような。個性的なシーンに注目です。
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③『蛇鶴八拳』(蛇鶴八歩:Snake & Crane Arts Of Shaolin)1977年
「メチャメチャ燃えるジャッキー拳法!!」
Cast:ジャッキー・チェン、ノラ・ミャオ
(解説)青年が師範殺しの敵を捜して対決するアクション作。「蛇鶴八拳」の8つの型。チラシにその型が載ってます(「跳蛇拳」とか)。「ストーリーは単純」「女優陣が色どりを添える」。内容はよくある感じ&「犯人捜し」でサスペンス風味。ノラ・ミャオが美しい。他にも美女が(ジャッキーを攻撃)。TV放送時の吹き替え版も人気です。
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④『カンニング・モンキー 天中拳』(一招半式闖江湖:Half A Loaf Of Kung-Fu! )1978年
「必笑カンニング拳法」「華麗なる七変化」
Cast:ジャッキー・チェン、ジェームス・ティエン、カム・コン
(解説)半人前の青年が一人前のカンフー使いになっていくカンフー&コメディ映画。なかなかコミカルなチラシ(有名な「七変化」の写真。裏面にも「七変化」の写真が)。同時上映は『伊賀野カバ丸』(コチラはちょっとダサい。「金○学院」て)。「痛快娯楽篇」なコメディな映画。当時の字幕が傑作。「友達のワ拳」「あんたらオール阪神巨人さん?」。裏切り者役のジェームス・ティエン。美女ドリス・ロンにも注目です。
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⑤『スネーキーモンキー 蛇拳』(蛇形刁手:Snake In The Eagle's Shadow)1977年
「手の動きが蛇のようにしなやかに動く<スネーキー拳法>」
Cast:ジャッキー・チェン、ユエン・シャオティエン、ウォン・チェンリー
(解説)青年が「蛇拳」を習って敵と対決するアクション作。「急遽、公開を決定」「人間味のあるジャッキー拳法」「80年代のズッコケ・ヒーロー」「天中殺もハダシで逃げ出す第2弾」。『ドランクモンキー 酔拳』が公開されて日本でジャッキー人気が爆発。「第2弾」としてコレが公開された。ブルース・リーは怖いカンフー。ジャッキーは楽しいカンフー。「ズッコケ・ヒーロー」? コミカルな演技・演出のことですね。「天中殺」てのが昔あった(占いですね。よく知らないけど)。『蛇拳』はどちらかと言うとシリアス。笑いのシーンは少な目。「蛇拳」の型、悪役のウォン・チェンリー、「じいさんキャラ」のユエン・シャオティエン。主人公が強くなっていく過程が見せ場です。
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⑥『拳精』(拳精:Spiritual Kung-Fu)1978年
Cast:ジャッキー・チェン、ジェームス・ティエン
(解説)少林寺のサエない寺男が妖精からカンフーを学ぶアクション作。カッコいいチラシ(「少林寺十八羅漢陣」と戦うシーン)。「オカルト!?」「ピッカピカのジャッキー・ムービー」。「五獣拳の精」が楽しい映画。白塗りの「拳精」とかいう不気味な連中が登場(しゃべれないから「動き」で表現)。「七死拳」のルーツァオてのも強い。「五獣拳 vs. 七死拳」。テーマ曲「チャイナガール」もオススメ。「向涼子」とかいうイラストレーター(熱心なジャッキーファン)がジャッキーの魅力をチラシに書いています。
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⑦『龍拳』(Dragon Fist)1979年
「こぶしを龍の形にして悪人に立ち向う」
Cast:ジャッキー・チェン、ノラ・ミャオ
(解説)修行した青年がカンフーで師匠の仇を討とうとするアクション作。「ファンならずとも楽しめる娯楽作品」とチラシにはありますが、シリアスな内容。ノラ・ミャオも怖い顔。「楽しいシーン」はほとんどなかった。「龍拳」って何だろう? 指が龍の形になっている拳法(突き指しそうな感じの型)。悪党に仕返ししようとする青年。しかし、もっと悪い奴と戦うことに。「龍拳」でシケた奴をしばき倒すシーンが爽快。かなり暗い映画です。
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⑧『ドランクモンキー 酔拳』(醉拳:Drunken Master)1978年
「酔えば酔うほど強くなる」
Cast:ジャッキー・チェン、ユエン・シャオティエン、ウォン・チェンリー
(解説)青年が「酔拳」を習って敵と対決するアクション作。チラシの表に『ドランクモンキー 酔拳』の文字(『ドランクモソキー 酔拳』に見える)。「ブルース・リーをしのぐ」「ギャラは一本、一億五千万円」「『邪拳』の日本公開も決定」。コレ一本でスターになったジャッキー。人気とギャラがスゴイことに。『邪拳』? 『スネーキーモンキー 蛇拳』のこと? 「酔えば酔うほど強くなる」? 酒を飲んで格闘するのは危険ですよ(マネしてどうなっても知らんで)。面白キャラ・シーンがいっぱい。「酔八拳の極意」「日野康一(のコラム)」なんてのもチラシに載っています。
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⑨『クレージーモンキー 笑拳』(笑拳怪招:The Fearless Hyena)1979年
「史上ボウ然!?」「世界一の珍V拳!」
Cast:ジャッキー・チェン、ジェームス・ティエン
(解説)青年が非情な殺し屋に爺さんを殺され、復讐を誓うアクション作。楽しいチラシ。表にはモンキーパンチのイラスト、裏にはジャッキーへの質問(「なまこ」が嫌いだそうな)。「新しいタイプのニュー・ヒーロー」「元祖ズッコケ・モンキー」「喜怒哀楽を基にした無敵の拳法」。ブルース・リーを超えたジャッキー。出演作が軒並みヒット。「ズッコケ・モンキー」? コミカルカンフーキャラのことですね。「笑拳」てのは微妙な技。笑ったりして敵を油断させる技(そんなことで相手が油断するかな?)。実際には鍛えた体で敵の攻撃を封じる技。殺し屋役のヤム・サイクン(貫禄)、マヌケな道場主&三人組にも注目です。
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⑩『ヤング・マスター 師弟出馬』(The Young Master)1980年
「万人必見! 熱烈上陸」「次々と襲い来る危機また危機!」
Cast:ジャッキー・チェン、ユン・ピョウ、ウェイ・ペイ
(解説)カンフー道場の青年が家出した兄弟子を捜すアクション作。すっかり「大物」になったジャッキー。この映画では自分のアイデアで勝負。「香港映画界始まって以来の観客動員」「オールスターキャスト」「歌手ジャッキー・チェン」。香港で大ヒット、そして日本上陸。実力派スターが勢揃い。ユン・ピョウ、シー・キエン、リリー・リー、ティエン・フォン、ウォン・インシック。「白扇子」がキッカケで起こる騒動を描いた内容。官憲に負われるシーン、底無し沼&風呂場、ウォン・インシックの蹴り。主題歌にも注目されたい。
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⑪『バトルクリーク・ブロー』(The Big Brawl:殺手壕)1980年
「世界中のプロ・ファイターがバトルクリークに結集!」
Cast:ジャッキー・チェン、ホセ・フェラー、マコ
(解説)テキサスの小さな町「バトルクリーク」にケンカ屋たちが集合・対決するアクション作。チラシのジャッキーの表情はシリアス。実際はコミカルな内容。「製作費18億(円?)」「製作期間2年6ヶ月」「ロバート・クローズ監督」。ヒットしなかった映画。時代設定が古かったのが原因か? 現代劇にすればよかったかも。製作費は回収できたのだろうか? 監督がロバート・クローズ(『燃えよドラゴン』の人)。あまり才能が評価されていない人。しかし、見所はあります(珍シーンも)。バトルクリークでのケンカ試合、共演のマコ(岩松)、ローラースケートレース、など。
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⑫『キャノンボール』(The Cannonball Run:炮彈飛車)1981年
「大陸横断5000キロ!」
Cast:バート・レイノルズ、ジャッキー・チェン、サミー・デイヴィスJr.
(解説)アメリカ東海岸から西海岸を目指す「キャノンボールレース」に大勢が参加するコメディ作。有名スターが多数出演。チラシの真ん中に美女。「製作費は120億円」(ギャラが高くて「40億円」。車には「30億円」をつぎこんだ、とか)。スターと名車を見るための映画。笑いのシーンは微妙(日本語吹き替えで観ると楽しい)。違法なカーレース「キャノンボール」(実際に違反していないと逮捕できないため事前にレースを止めさせることができないらしい。そんなバカな、という感じもするイベント)。警察の追跡をかわしながら走る参加者。ジャッキーはマイケル・ホイとタッグ。なぜか日本人役(当時「自動車」と言えば「日本」。単にそれだけのことだったのではないかと)。格闘シーンで活躍。楽しいシーンを自分で見つけて楽しむ映画です
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⑬『ドラゴンロード』(龍少爺:Dragon Lord)1982年
「華麗なアスレチックファイティング!」
Cast:ジャッキー・チェン、マース、シドニー・チャン
(解説)幼なじみの二人が国宝窃盗団と対決するアクション作。チラシに「ドラゴン・キッカー」「関係者以外は立ち入り厳禁」のコピー。ウォン・インシックが強烈な蹴りを見せる映画。チラシに書かれているのはスポーツシーンの部分だけ。「ドラゴン・キッカー」とはバドミントン&サッカーのような競技。他にもラグビーみたいなゲームも。香港では「映画のパクリ」は当たり前。内容を秘密にして関係者のみで製作。使用されたフィルムは膨大な量。でもヒットしなかった(マースがちょいとダサかったのが原因?)。ヒロインのシドニー・チャンがカワイイ。ティエン・フォンのオヤジっぷりにも注目です。
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